薪ストーブの遮熱板の大きさって?計算式は、

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最近の薪ストーブは前面から発するの熱量がとても大きくなり、一方で背面と側面はあまり熱が出なくなったなと感じる、浅野です。

薪ストーブを設置する際に重要な安全対策の一つが、壁などの可燃物までの適切な離隔寸法(薪ストーブと壁までの寸法)と遮熱壁(遮熱板)です。ここでは、薪ストーブと壁までの離隔寸法について、計算式、エクセルの活用、遮熱板の必要サイズ、遮熱版に使用できる材料の特定不燃材について説明します。

離隔寸法には法的基準がありますが、基準の存在を知らないとストーブとお部屋とのバランスでストーブの位置を決めたり、遮熱板(遮熱壁)の大きさ決めてしまいがちですよね。

 

まえに自動車で初めての道路を走行中、右折した直後に道路をふさぐようにパトカーが止まっていてお巡りさんが交通指導をしているところに出会いました。しばらく待っていたのですがあまりにも長いので(後から分かりましたが交通違反の切符を切っていました)クラクションを鳴らして、パトカーをどけてもらおうと合図しました。だって、道路の端に寄せて駐車してくれれば道をふさがないで済みますから。

直ぐにお巡りさんが寄って来てくれまして、ごめんね、って言われるのかと思ったら「ここは自動車侵入禁止ですよ。ちょっと待っていてくださいね」って笑顔でおっしゃって、私も切符を切られることになりました。

センターラインはないですが普通車が余裕をもってすれ違える広さで、誰ひとり歩いていない田舎の道路なのですが、安全のために自動車侵入禁止に指定されているのだとか・・・。

ここが侵入禁止ならほとんどの道路が自動車侵入禁止になりそうな感じの道路でした。ルール(看板)を見落とした私が悪いですし、小さな違反をすることで大きな違反と事故を避けられるのかなと、感謝して切符を頂戴しました。その後も別の新たな自動車がこの道路へ侵入してきて、お巡りさん大繁盛の1日のようでした。

 

薪ストーブと壁など可燃物までの離隔寸法

薪ストーブの設置に際しては定められた建築基準があります。これらの法規は火災のリスクを最小限に抑えるために、ストーブと壁やその他の可燃物との間に一定の距離を保つことを義務付けています。機種ごとに寸法が異なりますのでご案内します。

 

離隔寸法の計算式

離隔寸法の計算は、ストーブの大きさ(高さ・幅・奥行き)基づいて行われます。一般的な計算式は次のようになります:

 

側面離隔寸法   Ls=1.59√Av
(Av=側面の面積/高さ*奥行)
前面離隔寸法   Ls=2.40√Av
背面離隔寸法      Ls=1.59√Av
上面寸法            Hs=0.0106{1+10000/(Ah+800)}Ah
(Ah=平面面積/幅*奥行)

 

〇例:ストーブの大きさが下記と仮定して

高さ       75cms
幅          90cms
奥行       50cms

 

背面離隔寸法(Ls)         Ls=1.59√Av
Av=面積=90*75=6750㎠ ➡ √Av≒82.16
              Ls=1.59*82.16
                                 Ls=130.6cms   

 

ストーブの背面から壁までの必要離隔寸法が130.6cmsになります。全て計算すると、

側面       97.4cms
前面       197.2cms
背面       130.6cms
上面       137.7cms

 

そして、図にするとこうなります。この点線の外に壁などの可燃物が来るようにしないといけない訳です。

でも、薪ストーブを部屋の真ん中に置くわけにはいかないので、遮熱壁(遮熱板)を活用して壁へ寄せるわけです。

 

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エクセル計算式Copy code

√Av(ルートAV)をエクセルで計算する際の式です。便利ですね、エクセル。

 

√ =SQRT(Av) Av:面積

 

遮熱板

遮熱板はストーブと壁の間に設置され熱を遮断する役割を果たします。これにより、必要な離隔寸法を減少させることが可能になります。

下記の様に壁を遮熱する事で、壁の近くへ薪ストーブを設置できることになります。ちなみに、遮熱板と壁の間には2.5cmsの隙間(空気層)設けなければなりません。この空気層によって遮熱板が熱くなっても壁が熱くなることを防ぎます。また、壁と薪ストーブの最低離隔寸法が30cmsと決められています。そして、この30cmsの間に遮熱板と空気層が含まれることになります。(注意:一部の発熱量の大きいストーブはメーカーが30cmsより大きい最低離隔寸法を指定している場合があります)

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遮熱板に使用しなければならない素材(特定不燃材)

遮熱板には特定不燃材を用いることが必要になります。特定不燃材とは、建築基準法にて不燃材料よりも上のランクにの材料になり建築材料の中でも最も燃焼しにくい材料のことを指し、火災時の安全性を高めるために重要です。

具体的には下記が特定不燃材になります。レンガ、タイル、金属製の遮熱板(遮熱壁)を多く見るのはそのためです。

コンクリート
れんが

陶磁器質タイル
繊維強化セメント板
厚さが三ミリメートル以上のガラス繊維混入セメント板
厚さが五ミリメートル以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板
鉄鋼
金属板
モルタル
しっくい

厚さが十二ミリメートル以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さが〇・六ミ リメートル以下のものに限る。)
ロックウール
グラスウール板

 

 存在感のある遮熱版(遮熱壁)になります

いかがでしたでしょうか。けっこう立派な遮熱板になります。

ここで疑問が出ます。ネットでよく見る遮熱板はけっこう小さくない?

まぁ、お巡りさんに捕まるかもしれない事は分かっていても違反してしまう人はいるものなのです。お酒の好きな方なんか典型例ですね。道路標識に気づかずに違反切符を切られてしまうといけませんので、標識(ルール)のご案内でした

 では、良い冬をお過ごしください。

 

浅野正則
薪ストーブ・プロショップ@千葉・茨城
(株式会社スロースタイル)

tel: 090-6168-1464 いつでもどうぞ

 

 

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